ヒゲ剃り

お金が余って仕方ないので新しいヒゲ剃りを買った。

思い起こせば、今使ってるのは茨城に赴任したとき、

男と女の出会いの場であるジョイフル本田で買った

1000円の高級品が、あまりにも見事な剃り味だったので、

500円貯金を切り崩して買い直した物だった。

2002年吉日。

サンヨー製の高級品を買った。

何故かと言えば、サンヨーはバッテリーが

長持ちしそうだと思ったから。

記念写真を撮り、一ヶ月間は見て触るだけにした。

それから14年の月日が流れ、

外刃に穴が開き、内刃が見えていたが、

テクニックを駆使して血が出ないようにして剃った。

油断すると出血大サービスとなり、

更に傷口にシェーブローションがつくと、

衝撃で1mぐらい飛び上がった。

こんな毎日を続け、いつか頭が天井に

着くかもしれない恐怖心と戦っていた。

モーターも電池も元気なので、

刃を交換しようと思い、価格comで価格を調べた。

外刃と内刃を合わせて5800円。

パナソニックΛ'の新品が6800円ぐらいだった。

思案のしどころであった。

両親と親戚一同に相談し、占い師を訪ね、

日本ヒゲ協会にも相談して検討を重ね、

最後は気分で買うことに決めた。

基本的に人の言うことを聞かない。

それから狂ったようにネットで調べまくり、

候補に挙がったのはブラウン、フィリップス、パナソニックで、

価格的に一瞬でパナソニックに決めた。

裕福なので一番高いのを買おうと思い、

機能を調べてみると、基本構造は変わらず、

泡立て機能や自動洗浄機能が付いていた。

贅沢は庶民の敵であると先代から教えられたので、

そんな機能は要らないと自分に言い聞かせた。

基本的に優柔不断で人の意見に左右される。

ついでに念願の東京銀座資生堂のタタタックティックティクス

のローションとメンテナンス用のオイルも買った。

思いつきから購入ボタンを押すまで所要時間は17分。

夜の11時30分の出来事である。

一番安かったAmazonで買わず、

バシヨドカメラに注文した。

何故かというと、セコくポイントを溜めて、

いつかNSXの新車を買おうと思っているから。

翌日家に帰ると、バシヨドカメラの箱があった。

丁重にお経を上げて拝んだ。

これでテクニックに頼らず、しかも出血しないで

ヒゲを剃ることが出来る。

凡人はすぐ使うと思うが、私は小心者なので

写真を撮ってまた元箱に戻した。

ああ無情である。

しばらく熟成させて使う主義なのね？

今朝もテクニックを駆使して古いので剃った。

新旧交代の儀式をして、古いのを殿堂入りさせてから

使い始めようと思った。

おまけ。

これは成功だと思うが、一回下がったときに

手を離していれば良かったのでは？

早い話が棒高跳びは危ないから

やめた方がいいと思った。