Thunderbirdの日記

桜梅桃李 鏡花水月

飛行機の修理



3年前にEPPでてきとーに自作した飛行機の
垂直尾翼が割れてしまった。


カットバンを貼っても直りそうにない重傷である。


仏壇にお経をあげても直らなかった。




修理しやすいように傷口をまっすぐにした。




同じ材料の残りを角度を合わせて三角に切って、
ピッタリ合うように削った。


ピタゴラスの定理だと思った。





スコッチのプラスティック接着剤を両面に薄く塗って固定した。


両手で持ったまま、まんじりともせず
動かないように耐えること5分。


動かざる事 山のごとしだと思った。





さらに30分放置して、接着剤が固まったら
形状に合わせてオルファカッター(小)
焼き入れプロ用で少しずつ削る。


注)焼き入れプロ用じゃなくてもOK。


あとは赤いラインをぺんてるマヂックで塗って完成。


ついでに容量が大きいESCに交換した。


嬉しかったので、完成写真を撮るのを忘れた。






新品の電池を取り付けて飛ばしてみた。


ESCの大容量化と電池のバースト電流が
増えたことで、MAXパワーでの
垂直上昇が明らかに強化された。


バッテリーの新品は、電池容量の特性が
安定しないことを忘れ、
調子に乗って飛ばしてたら、
着陸前にパワーダウンし、急激にプロペラが停止した。





アジトの柵の向こう側に軟着陸。



カールおじさん並のスピードで柵に駆け寄り、
目を丼のようにして探した。



柵から10mぐらいのところに、愛しのスリッパちゃんがいた。


声を掛けたが返事がなく、
自力では生還出来ないぐらい弱っている。


しかも雨が降り出していた。




柵を乗り越えてみたが、2m角のU字溝があり、
長い足でも届きそうになかった。


滑り落ちたところの草が倒れている。


作戦1
川の方から溝の向こう側に回ってみたが、
湿地帯に雑草と芦が茂っているうえに
蜘蛛の巣だらけで、マムシがいっぱい生息している。


溝を渡るしか手段がないことが分かり、
サバイバルを覚悟した。 自衛隊


リバイバルではない。





そうこうしていると、いつも犬の散歩で通る
おじいさんが来た。


簡単に事情を話して同情を買った。


お金は貰えなかった。


作戦2
溝の縁まで降りて飛んでみようとした。
おじいさんに危ないからと止められた。


作戦3
柵の手前から全力で走り、
柵を踏み台にして一気に飛び越えようとした。


踏切の手前でサンダルが脱げて
失速してやめた。


あきれて見ていた。


作戦3
老人会の小屋にあったロープを
身体に巻き付けて、柵に繋いで降りた。


U字溝の底は、水が流れて
ヌルヌルのコケが生えていた。


降りることは出来ても、対岸に
登れないことが分かった。


作戦4
棒高跳びしようとしたが、
適当な棒が見つからなかった。





作戦5
おじいさんから、橋を渡したらどうかと言われ、
周りを見渡すと簡易的に作ってある椅子があった。


長いうえにしこたま水を吸っていて重かった。


短いのもあったが微妙に足りず、
この木を運んで向こう岸まで渡した。


文字で書くと2行だが、この作業は
今年一番の重労働だった。


「作戦5 戦場にかける橋」と名付けた。


急斜面を木と一緒に落ちたので、
ドロドロに汚れてあっちこっち
カヤで切れた。


両手を水平に広げて綱渡りの容量で
一歩ずつ進んだ。


本気を出せば宙に浮けるが、
そんな余裕はなかった。


木がしなり、ミシミシと微妙な音がしていた。


いつ折れてもいいように全神経を
足と膝に集中した。


急いで渡ると板が跳ねてずり落ちそうだった。


落ちたらコケで横滑りして、
確実に脳を強打すると思った。


たった2m渡るのに15秒ぐらいかかった。


渡った先は野バラがあり、トゲが行く手を
阻んでいるうえに濡れた急斜面で滑った。


バランスを保ったまま滑り落ちて、
目を閉じて回転しながら更に進み、
スリッパのところまでたどり着いた。


こみ上げて来るものがあり、頬に熱い物を感じた。


トゲで切れて出血していた。


頭にスリッパを乗せて、
一気に橋を渡った。


あと片付けをしてる間に暗くなった。


一部始終を見守っていてくれたおじいさんが、
全身泥まみれになって、数カ所から出血して、
20カ所以上蚊に噛まれた姿を見て、
あんたすごいねと言ってくれた。


ありがたい知恵を出して貰ったことに対して
何回もお礼を言った。


入れ歯をガクガクさせながら笑って喜んでくれた。 入れ歯



亀の甲より年の功だと思った。 俺、亀梨!


おもちゃに対する愛着がすごいことが分かった。

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