Thunderbirdの日記

桜梅桃李 鏡花水月

119番通報の日



いつも鳴らない携帯に嫁から着信があった。


腹が痛くて動けないとのこと。。。


急いで帰ったら、座り込んで動けなくなっていた。


自分の車で病院に連れて行こうと思っていたが、
どーにもこーにも動かせないくらい痛がっていた。


119番通報。


「事故ですか救急ですか」と聞かれた。


家から200mのところに消防署があるので、
電話で状況を説明してるうちに
サイレンが聞こえた。


担架に乗せられないくらい痛がってたので、
袋みたいのに丸まったまま入れて救急車に乗せた。


最初に搬送された病院で、CTとエコーで
一時間ぐらい検査したが、専門外のため
総合病院に転院搬送。


二回目の救急車。


痛みを和らげるために鎮痛剤を点滴で入れる。


10分で切れてしまい、そのままMRI検査。


強い鎮痛剤を追加したが、全く効かず、
のたうちまわることも出来なくなり動かなくなった。


医師が入れ替わり来ていろいろ質問されたが
本人は答えることが出来ず、
私にどうしますかと聞かれたので、
とにかく痛みを取ってやってくれと頼んだ。


次にオペをするかどうか聞かれたので、
それは私や本人が決めることではなく、
医師として最適だと思われる処置をして欲しいと頼んだ。


MRIの結果と痛みのレベルから、
夕方だったが緊急オペになった。


同意書関係を書く時間がもったいなくて、
ちゃんと書くから先にオペを
始め下さいと頼んだ。


全身麻酔準備で1時間、オペが2時間。


腹腔鏡で患部を切除する。


意識レベルが低下いる中で
オペ室に入る前の一言。


「もし戻って来れなかったら、
子供をよろしく」


「そんなバカな」


癒着などがあったら、術式を変更して
開腹術になるので、病院の建物から
出ないで下さいとのこと。


1時間後にオペ室の隣の部屋に呼ばれた。


ありゃりゃと思っていたら、内視鏡
写真を見せられてここを切除して
縫合しますとの説明だった。


病院の敷地の外に出て一服。


子供や親戚に連絡して携帯の通話料が増えた。。。


タクシー代とガソリン代など。。。


そんな問題ではないと思った。


無事に終わり、麻酔が覚めかけた状態で戻ってきた。


「痛みが取れたのでもう大丈夫」


簡単な挨拶だった。


完全看護の処置室にいるので、
帰っていいとのこと。


最大の問題は、家事が出来ないこと。

何がどこにあるか分からない。


ご飯は病院の近くのかっぱ寿司


四苦八苦しながら風呂と洗濯。


入院に必要な物の準備などで、
殆ど徹夜状態。


翌日の朝食もなく、子供を勤務先まで送り、
私も出社した。


子供を迎えに行ったついでに
半額になった弁当と賞味期限が近くなった
パンを大量に買って帰った。


次の日からスティックパンの8本入りを、
朝と昼で4本ずつ食べた。


ここ5日間で、体重が3.5kg減った。


急病は恐ろしいことが分かった。。。救急車


手首を骨折してまだ治っていない子供は、
就職3日目で緊急事態を経験し、
朝は小さいスティックパン2本。
昼はカロリーメイト1個。
夜は半額で150円の弁当。
お茶のペットボトルに水道の水を入れて会社に行き、
それを飲んでお金を辛抱していた。。。


それを見たときに、自分の不甲斐なさを痛感した。


いつの間にか成長した子供を見た気がした。


今回のあっぱれ大将に任命してやろうと思った。あっぱれ